
経営管理ビザとは?取得要件・在留期間・2025年の法改正までわかりやすく解説
「経営管理ビザ」は、外国人が日本で会社を経営したり、事業の管理者として働いたりするために必要な在留資格です。正式名称は在留資格「経営・管理」といい、出入国在留管理庁が所管する在留資格の一つです。
このページでは、経営管理ビザの基本的な意味や対象者、認められる活動、在留期間の考え方に加え、2025年10月に施行された要件の厳格化についても、行政書士の立場からできるだけわかりやすくまとめます。制度の詳細や個々の事情への当てはめは複雑になりやすいため、実際の申請を検討される際は、最新の公式情報の確認と専門家への相談をおすすめします。
経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)とは

経営管理ビザとは、外国人が日本国内で貿易その他の事業の経営を行い、または当該事業の管理に従事するための在留資格です。入管法(出入国管理及び難民認定法)が定める在留資格の一つで、外国人が日本で働くための「就労ビザ」(就労系の在留資格)に分類されます。日本で会社を設立して自ら経営者になる方だけでなく、既存の会社の役員や管理者として日本で働く方も対象になります。
留学ビザや家族滞在ビザのような身分系の在留資格とは異なり、就労が前提となる在留資格のため、実際に日本で継続的に事業を行っていること、または事業の管理に携わっていることが求められます。会社を作ること自体が目的ではなく、日本で実態のある事業を運営できるかどうかが審査の中心になります。
かつての「投資・経営」ビザとの違い
経営管理ビザは、2015年4月の入管法改正で名称・要件が見直される前は「投資・経営」という在留資格でした。名称変更後は、外国人が単独で出資して起業するケースも含め、より幅広い経営・管理活動が対象になっています。現在では「投資・経営ビザ」という呼び方が使われることもありますが、制度上の正式な在留資格名は「経営・管理」です。
なお、経営・管理活動を含む、より高度な人材を対象とした「高度専門職」という在留資格もありますが、これは経営管理ビザとは別の制度です。ご自身の経歴や事業内容によってどちらが適切かは異なるため、迷う場合は専門家にご相談ください。
経営管理ビザで認められる3つの活動パターン

経営管理ビザで認められる活動は、大きく分けて次の3つのパターンに整理できます。ご自身の事業計画がどのパターンに近いかを整理しておくと、必要な準備や審査で確認されるポイントもイメージしやすくなります。
1. 新規に事業を開始して経営を行う
日本で新たに会社を設立し、その経営者として事業を運営するパターンです。経営管理ビザの取得を目指す方の多くがこのケースにあたり、会社設立の手続きと在留資格の申請をあわせて進めていく必要があります。
2. 既存の事業に出資し、その経営に参加する
すでに日本国内にある会社に出資し、役員として経営に参加するパターンです。ゼロから会社を作るのではなく、既存の事業基盤を活用できる点が特徴ですが、出資の実態や経営への関与の度合いが確認されます。海外に本社を置く外国法人が、日本に支店を設置して事業を行う場合もこのパターンに含まれます。
3. 事業の管理者として経営を代行する
日本国内の会社に代わって、その事業の管理者(マネージャー)として経営に従事するパターンです。オーナー自身が申請するケースだけでなく、経営を任される立場の方が申請するケースもこれにあたります。
【2025年10月16日施行】経営管理ビザの要件が厳格化されました

経営管理ビザは、2025年10月16日から審査要件が厳格化されています。近年、実態を伴わない形式的な会社設立での取得が問題視されてきた背景があり、より「継続して事業を運営できる体制」が重視される内容になりました。出入国在留管理庁が公表している主な変更点は次のとおりです。
- 資本金または出資総額の要件が、500万円以上から3,000万円以上に引き上げられました
- 原則として日本に居住する常勤職員を1名以上雇用することが新たに義務づけられました
- 申請者本人に、事業の経営または管理についての3年以上の実務経験(これまでの経歴。大学院で経営に関する科目を履修した期間を含められる場合があります)、または関連分野での学位(修士号等)などの学歴が求められるようになりました
- 申請者本人または常勤職員のいずれかが、一定水準の日本語能力を有していることが必要になりました
- 事業計画書について、中小企業診断士・公認会計士・税理士などの専門家による確認を受けることが必須になりました
このほか、事業を行うための独立した事業所の確保も要件の一つです。バーチャルオフィスの利用や、自宅と事業所を兼ねる形態は、原則として認められにくいとされています。常勤職員についても、雇用契約や給与支払いの実績など、継続的な雇用関係を裏付ける資料が求められるほか、要件を満たす常勤職員としてカウントできるのは、日本人や永住者、日本人の配偶者等、定住者など、就労に制限のない身分系の在留資格を持つ方に限られる点にも注意が必要です。
なお、2025年10月15日までに在留資格認定証明書交付申請や在留期間更新許可申請などを行っていた場合は、一定の経過措置が設けられています。経過措置の対象になるかどうかは個々の申請状況によって異なるため、該当する可能性がある方は早めに専門家へご相談ください。制度の詳細や最新の運用は変更されることがあるため、正確な内容は出入国在留管理庁の公式発表もあわせてご確認ください。
経営管理ビザの在留期間 — 6パターンと更新の重要性

経営管理ビザの在留期間は、5年・3年・1年・6か月・4か月・3か月の6種類が定められています。どの期間が許可されるかは、事業の実績や継続性などをもとに個別に判断されるため一律ではありませんが、初めて許可を受ける際は、事業の立ち上がり状況を確認しやすい4か月など、比較的短い期間になるケースが多く見られます。
経営管理ビザは、取得したら終わりではなく、期間満了前に在留期間更新許可申請を行うことで継続的に在留できる仕組みです。更新の審査では、許可時点の計画だけでなく、実際の売上や納税状況、常勤職員の雇用状況など、事業を継続して運営できているかどうかが確認されます。取得段階から更新を見据えた事業計画を立てておくことが重要です。
経営管理ビザ取得までの流れ(概要)

経営管理ビザの取得までには、おおむね次のようなステップがあります。実際の順序や進め方は事業内容によって前後することがあります。
- 事業内容・事業計画の検討(どのような事業を、どの規模で行うかを整理します)
- 会社の設立(定款作成、資本金の払い込み、法人登記)
- 事務所となる物件の確保(独立した事業用スペースが必要です)
- 事業計画書の作成(要件厳格化により専門家の確認が必要です)と必要書類の準備
- 出入国在留管理局への申請(在留資格認定証明書交付申請、または在留資格変更許可申請)
- 審査を経て、許可・在留カードの交付
必要書類の概要

申請に必要な書類は、在留資格認定証明書交付申請書や写真といった基本書類に加え、事業計画書、定款、登記事項証明書(登記簿謄本)、決算書類(新規設立の場合は事業計画に基づく資料)、事務所の賃貸借契約書などが中心になります。会社の規模(カテゴリー)によっても求められる資料が異なり、2025年10月の改正以降は事業計画書に専門家の確認が必要になるなど、以前より準備すべき資料が増えています。
経営管理ビザの取得・更新でよくある誤解と注意点
経営管理ビザについて、「会社さえ設立すれば取得できる」と誤解されている方が少なくありません。実際には、資本金の準備や会社設立はあくまで前提条件の一つであり、事業の実現可能性や継続性、日々の事業運営の実態が総合的に審査されます。形式だけを整えた申請では許可が難しく、仮に許可されたとしても、更新の段階で事業実態が伴っていないと判断され、更新が困難になるケースもあります。
また、経営管理ビザに関する情報はインターネット上に数多くありますが、要件は制度改正によって変わることがあります。このページで紹介した内容も2025年10月時点で公表されている情報にもとづくものです。ご自身の状況に照らした正確な判断については、出入国在留管理庁の公式情報を確認いただくとともに、行政書士などの専門家にご相談いただくことをおすすめします。
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当事務所では、中国・台湾をはじめとする外国人経営者の経営管理ビザ取得を数多くサポートしてきました。ビザの申請手続きだけでなく、提携する司法書士・中小企業診断士などの専門家と連携しながら、会社設立から事業計画書の作成、許可取得後の更新まで、一貫してサポートいたします。配偶者やお子様など、ご家族の在留資格についてもあわせてご相談いただけます。
「自分の事業内容で経営管理ビザが取得できるか分からない」「2025年の改正で何が変わったのか詳しく知りたい」といった段階でも構いません。事業内容がまだ固まっていない場合も含めて、お気軽にご相談ください。
